言わずと知れた合衆国の首都、ワシントンDCは数多くの政府機関や、合衆国の歴史を象徴するいくつもの記念碑が立ち並び、世界中から多くの観光客が訪れる場所です。しかし、日本から発着するパッケージツアーの多くはワシントンDC単体で訪れるものではなく、東海岸の他の都市にも行くものばかりで、この街をじっくり愉しむ機会が少ないものばかりです。
そこでパッケージツアーではなく、個人でワシントンDCを訪れようと考えるの方も多いと思います。
ワシントンDCを個人で周る際、航空券やホテル、現地の交通費などの手配や行きたい場所などを全て自分で決める必要がありますが、限りある時間の中で何をどうしたらいいのか迷ってしまうのではないでしょうか?
今回はワシントンDCを個人旅行で最大限に愉しむために、時間管理のマスターツールであるフランクリン・プランナーを使った計画の立て方を紹介します。
目次
フランクリン・プランナーとは
フランクリン・プランナーとは時間管理と優先事項の実践に重点を置いたシステム手帳で、単に予定やメモなどを書き込むものとは一線を画したマスターツールです。
合衆国建国の父の一人である、ベンジャミン・フランクリンが実践していたライフプランの作成方法を基に作られており、価値観の設定から始まり、優先順位の決定、実践に至るまでの流れを作成できるものになっています。
システム手帳というと、どうしてもビジネスで使うものと思ってしまいがちですが、この流れはワシントンDCを旅行するにあたって、旅行スタイルの設定、行きたい場所の決定、そして旅行の実践といった具合に、見事にマッチしているのです。
緑豊かなナショナルモールで記念碑巡り?それとも地元住人が行き交う路地を探索?自分だけのワシントンDC旅行スタイルの設定方法
旅行でワシントンDC行くことになったら、ホワイトハウスやリンカーン記念堂、スミソニアン博物館群など、行きたい場所を思い浮かべるのではないでしょうか?
しかし、行きたい場所を思い浮かべても場所が遠くて移動に時間がかかったり、行っても何をするかを決めていなかったために何もしないまま無駄な時間を過ごしてしまったりして、愉しいはずの旅行が台無しになってしまう可能性があります。
そこで、旅行の計画を立てるよりも前に、自分自身の価値観を知ってどのような旅行にしたいかと決める必要があります。
価値観の設定というと難しく感じてしまうと思いますが、旅行というキーワードから関連する単語を書き出して、それらに自分の言葉で説明文を加えることで旅行に関する価値観を見いだすことができます。
例を挙げると、冒険心、歴史探訪、本物志向、美、健康・・・といった具合に思いつく単語を書き出します。
その後それらの単語に説明文を加えていきます。
- 冒険心:初めての地で初めてのものに五感で触れ、地元の人とも積極的に交流する。
- 歴史探訪:ワシントンDCの歴史的建造物や記念碑をじっくり眺める。
- 本物志向:国立公文書館やスミソニアン博物館群で数々のコレクションを堪能する。
- 美:公園都市とも呼ばれているワシントンDCの景観を愉しむ。
- 健康:旅行中はシェア自転車で移動し、ナショナルモールではウォーキング。
ここまでが旅行スタイルの設定です。次に役割の設定ですが、ひとり旅の場合は全て一人で実行するので、ここからは複数人数で旅行する場合の話になります。
旅行にあたって必要な役割は次のようになるでしょう。
- 旅行者1:航空券、ホテル、現地交通費の手配
- 旅行者2:行きたい場所や現地でのアクティビティなどを決定
- 旅行者3:現地のアクセスや治安情報などをリサーチ
- 旅行者4:不測の事態に備えての別日程を作成
ワシントンDCに行くからにはホワイトハウスには絶対行きたい、旅行で失敗しない優先順位の決定方法
旅行スタイルと役割が決定すると、次に行きたい場所を思い浮かべるでしょう。しかし、いくら行きたい場所があってもそこは海外、旅行するためには様々な手続きをしなければなりません。
フランクリン・プランナーでは優先事項を4つの領域に分けて可視化できる仕組みになっています。
- 第一領域:緊急性があり、かつ重要である。
- 第二領域:緊急性はないが、重要である。
- 第三領域:緊急性はあるが、重要ではない。
- 第四領域:緊急性も重要性もない。

これを旅行に置き換えると、
- 第一領域:旅行に必ず必要なもの。渡航書類などの手配。
- 第二領域:旅行中に実現させること、事前の準備など。
- 第三領域:旅行するにあたり不安なことや、現地での不測の事態など。
- 第四領域:単なる暇つぶしや、意味のない行動。
この中で、第一領域を少なくとも合衆国に入国する90日前までに完了し、第二領域にフォーカスし、第三領域をできるだけ避けるようにすることで、愉しい旅行にすることができます。
では、具体的に4つの領域を意識して優先順位を決めていきましょう。
まず、旅行するにあたって行きたい場所やするべき事などを書き出し、リストアップします。次に4つの領域に仕分けをし、そこから優先順位を決定します。
例えば次のようなリストがあるとします。
これらの項目を緊急性があり、かつ重要なものから仕分けをしていきます。
緊急性があり、かつ重要な第一領域は渡航書類の用意と航空券、ホテルの手配です。
ワシントンDCに行くにあたって必ず必要なものはパスポートと電子渡航認証(ESTA)です。パスポートは合衆国に入国する日から数えて90日以上有効期限があるものが必要になりますので、新規に取得する方はもちろん、すでに持っている方も有効期限に気をつけて早い段階で更新手続きを行ってください。
ESTAは有効期限は登録日から2年間で、その間は何度でも合衆国に入国できます。公式サイトでは「入国日の72時間前までに完了」とありますが、世界中の人がアクセスしているので、できるだけ早いうちに登録を済ませておくことに間違いはありません。
これら二つの事と、、航空券とホテルの手配はワシントンDCに旅行する全ての人に共通することなので、第一領域として一番にする事です。
次に第二領域ですが、ここではホワイトハウスを例にして考えていきたいと思います。
ワシントンDCのランドマークであるホワイトハウスの愉しみ方は大きく分けてふたつあります。ひとつはホワイトハウスを外から眺める方法、そしてもうひとつは内部を見学する方法です。
ひとつ目は非常に簡単で、誰でも予約なしでできます。まずホワイトハウスの場所ですが、合衆国議会議事堂から見て北西にまっすぐ伸びる道路、ペンシルヴェニア通りをひたすらまっすぐ進んで突き当たりの緑地帯、そここそ、ホワイトハウスの南側で、テレビでおなじみの半円形のバルコニーを遠目で見ることができます。
緑地帯に入る手前には商務省があり、その1階はホワイトハウス・ビジターセンターになっていて、ホワイトハウスに関する様々な展示物があったり、ホワイトハウス歴史協会の公式ショップも入っています。
ホワイトハウスをもっと近くで見たい場合は、財務省の東を北に進んで角を左に曲がると、ホワイトハウスの正面に出て、南側よりも近くで建物を眺めることができます。
これを実践するには次のようなプランを立てることになります。
- 合衆国議会議事堂からペンシルヴェニア通りを歩いて、大統領就任式に思いを馳せる。
- ホワイトハウスの南側で記念撮影
- ホワイトハウス・ビジターセンターで展示物を鑑賞、公式ショップでお土産を購入
- 北側に回ってホワイトハウスの正面を堪能
ふたつ目はホワイトハウスの内部見学ですが、これには事前の手続きが必要になります。
ホワイトハウスの内部を見学するには事前に合衆国議会議員を通して申し込む必要があります。外国に居住する方はワシントンDCに駐在する大使館を通して申し込むことになっていますが、日本大使館ではホワイトハウスの見学申し込みを受け付けていません。
そこで知り合いにアメリカ人がいる場合は議員を紹介してもらって申し込むか、年に数回行われるガーデンツアーに参加する方法になります。
見学の申し込みは少なくとも希望日の21日前までに完了していなければならないので、見学を希望の場合は第一領域として手続きをしてください。
申し込みが完了し、審査にパスすると見学日と注意事項などが書かれたチケットが議員事務所からメールで送られてきますので、それを印刷し、商務省西側の15番通り沿いにある通用口に指定の時間の15分前までに行きましょう。
次に第三領域ですが、ここでは不測に事態に備えての別プラン作成と、ワシントンDCの危険な場所について紹介します。
旅行中に天気や体調の変化は付き物、そこで必要なのはあらかじめプランを複数作っておいて柔軟に対応することです。
「雨でせっかくの旅行も台無し。」と考えるのではなく、「雨だから博物館に行こう。」、「バリバリ歩きすぎてもう動けない。」となる前に「できるだけ疲れないように地下鉄の路線を調べておこう。」といった具合にすぐに対処できるように工夫することで、楽しい思い出になるでしょう。
それから、ワシントンDCで危険な地域はユニオン駅からの南北に伸びる1番通りから東側の地区で、そこは主に低所得者が生活する居住区で決して治安がいいとは言えません。くれぐれも立ち入らないように気をつけてください。
愉しい旅行にするために、事前の情報収集で避けられるリスクを避けることが一番です。
フランクリン・プランナーで自分だけの価値観を発見し、かけがえのない体験を
いかがでしたか?漠然と旅行するのではなく、事前に旅行の目的や現地でやりたいことなどをあらかじめ決めておくことで、他では味わえない体験をすることができます。
価値観や行動が様々なように、旅行のスタイルや目的のまた、人それぞれです。フランクリン・プランナーはその人が持っている本来の姿を明確化し、実践できるように手助けをしてくれるツールです。
ワシントンDCに旅行する際には是非持って行ってはいかがでしょうか?