
海外旅行に行く際、航空券やホテル、現地での観光や食事がついていて、日本出発から帰国までの間添乗員が同行するパッケージツアーは、初めて旅行する方や限られた時間で効率よく旅行したい方には大変便利です。
ただし、一口にパッケージツアー と言ってもたくさんある旅行会社から様々なプランが出ていて、どれを選んだらいいのか悩んでしまうのではないでしょうか?
そこで今回は数あるパッケージツアーの中からワシントンDCに行くツアーを比較し、ツアーに参加するにあたって気を付けておきたいポイントなどを紹介します。
目次
当サイトではパッケージツアーをおすすめしない?
いきなりですが、当サイトではワシントンDC行きのパッケージツアーをおすすめしていません。
というのも、日本出発のパッケージツアーでワシントンDCだけに行くツアーはなく、観光内容に関してもどこも同じ内容、それなのにツアー代金はかなり高めに設定されている、というのが最大の理由です。
ツアー代金が高いのは主にワシントンDCではなく、ニューヨークの観光やレストラン、ホテルなどに投資されているからです。
そのため、ワシントンDC行きのパッケージツアーはニューヨーク観光のおまけ扱いであり、メインではないということができます。
では、なぜこのようなツアーが存在するのでしょうか?
答えは簡単で、東海岸の主要都市を限られた時間で一気に観光したい方がいるからです。
当サイトではワシントンDC行きのパッケージツアーをおすすめしていませんが、このような需要がある限りパッケージツアーもワシントンDCを愉しむための一つの方法として、ツアーの比較や選び方などを紹介します。
ワシントンDC行きパッケージツアーには3つのタイプがある
ワシントンDCに行くパッケージツアーには大きく分けて3つの種類はあります。
1つ目はいわゆる万人向けの格安ツアー、2つ目はゆったりと満喫したい方向けの高級ツアー、そして3つ目は旅行日数と観光内容のバランスが取れた中堅ツアーの3つです。
格安ツアーとは一般的に旅行代金が10万円を切るようなイメージがありますが、ワシントンDC行きのツアーに関してはあり得ませんので、旅行日数とツアー内容から判断し、格安と定義させていただきます。
具体的には、以下のポイントに3つ以上当てはまるものを格安ツアーとさせていただきます。
- 日本発着便は基本乗り継ぎ便
- 現地での観光は有名スポットだけを周る市内観光プランとコストがかからない博物館観光
- ツアーの名前が「ハイライト」
- 食事は一部しかついていない
- 中途半端な自由時間がある(1時間程度)
- やたらとお土産屋さんに立ち寄る
- 宿泊するホテルは直前までわからない
- ホテル決定済みでもグレードが低い
- 現地での移動はバスのみ
一方、高級ツアーとは市内観光に加えて半日以上の自由時間があったり、一つの都市に2日間以上滞在するなど、ゆったりと周るものとさせていただきます。
そのため、「30万以上するからこのツアーは高い。」などといったツアー代金だけで一概に判断することはしていません。
旅行会社別、ワシントンDC行きパッケージツアーの比較
今回紹介するワシントンDC行きのパッケージツアーは日本の旅行会社最大手のJTB、格安旅行のイメージが強いHIS、「大人旅」がキャッチフレーズのクラブツーリズム、日本航空が運営するJALパック、そして阪急交通社の5社から出ているパッケージツアーを比較していきます。
JTB:
『1週間で行ける!アメリカ東海岸4都市ハイライト』
『旅物語』
HIS:
『アメリカ東海岸ハイライト7日間』
クラブツーリズム:
『アメリカ東海岸満喫 ニューヨーク・ワシントン・フィラデルフィア3都市の旅 6日間』
『ユナイテッド航空往復直行便利用 ワシントンDCとバージニアの旅6日間』<もう一度アメリカへ行こう>
JALパック:
<<ツアーコンダクター(添乗員)と巡る>>『異なった魅力の人気3都市を巡る アメリカ東海岸周遊 ボストン・ワシントンDC・ニューヨーク8日間』
阪急交通社:
トラピックス『日本航空往復直行便で行く!アメリカ東部』
フレンドツアー『美の巨匠たちアメリカ東海岸8日間』
これらのツアーをグレードごとに分けると、JTB、HIS、クラブツーリズムの周遊ツアーと阪急交通社のトラピックスは格安ツアー、JALパックと阪急交通社の東海岸周遊ツアーが高級ツアー、そしてクラブツーリズムの『もう一度アメリカへ行こう』が中堅ツアーとなります。
格安ツアーの内容とは?

一般的な旅行会社のイメージとしてHISと阪急交通社のトラピックスは格安で、JTBとクラブツーリズムに関しては安心と信頼があるから高いと言われていますが、実際のところツアーの内容はそこまで変わりありません。
特にワシントンDCでの観光内容はどこももれなく半日市内観光プラス博物館で、現地での自由時間はフードコートでのランチタイムのみとなっています。
また、日程表を見る限りどこも約3時間で観光を済ませてしまう内容になっているので、かなりのハードスケジュールと言えます。
さらに、これらのツアーの謳い文句として「東海岸の主要都市を効率よく巡る」とありますが、実際のところ、これらの主要都市の直線距離は東京、青森間に匹敵します。

それぞれの都市の距離感覚として、ワシントンDCを東京とすると、ボルティモアが大宮、フィラデルフィアが宇都宮、ニューヨークが仙台、そしてボストンが青森に相当します。

格安ツアーではこれらの都市を6日間や7日間で巡りますが、果たしてこの日数でそれぞれの都市をじっくり観光できるでしょうか?
食事内容も、それぞれの都市で名物料理を食べられるツアーもありますが、パンフレットなどに載っている写真はあくまでもイメージで、実際に提供される料理は写真と全く同じとは言い切れません。
また、食事は基本的に朝食が一番安く、昼食、夕食の順で値段が上がっていくので、名物料理を昼食に出して夕食はオプションだったり、食事場所もホテルとしか記載されていないツアーもあります。
ホテルに関しては格安ツアーでよくあるのが出発直前まで宿泊先が決まってないというものです。パンフレットには同じグレード(格安ツアーの場合は良くても3スター)のホテルが複数並んでいますが、直前に手配することで仕入れのコストをギリギリまで安くすることができるからです。
また、予約時にホテルが決まっているツアーでも観光に便利な市街地ではなく、周辺にこれといったスポットがない郊外のホテルだったり、バスタブがないシャワーのみの部屋だったりします。
JTB、HIS、クラブツーリズムの東海岸周遊ツアー、そしてトラピックスはこれらの内容をもれなく網羅していますので、格安ツアーと言えます。
「30万円も出したんだから充実したツアーになるだろう。」という安易な期待は禁物です。ツアーに申し込む前に日程や旅行条件など今一度じっくり確認しましょう。
半日以上の自由行動がある、高級ツアーの特徴

今回比較するツアーで高級ツアーに該当するのはJALパックと阪急交通社のフレンドツアーです。
観光内容は格安ツアーにある市内観光プラス博物館と変わりありませんが、フレンドツアーではワシントンDCに2日間滞在し、初日の夕方と2日目の午後は自由時間となっていますので、思い思いに街歩きを楽しめます。
JALパックに関してはワシントンDCでの観光は格安ツアーと変わりありませんが、ニューヨークでは丸1日自由行動できますし、ホテルはマンハッタン中心の高層階指定ですので、ニューヨークメインで楽しみたい方にはおすすめです。
それぞれの都市をゆったりと巡るので旅行日数は8日間と、格安ツアーと比べると長くなるため、どうしてもツアー代金が跳ね上がってしまいますが、その分充実したツアーを満喫できるでしょう。
自由行動はないがワシントンDCエリアを満喫できる、クラブツーリズムの『もう一度アメリカへ行こう』
クラブツーリズムから出ている『もう一度アメリカへ行こう』は春と秋の季節限定ですが、ワシントンDCと近郊の街を6日間で巡るツアーとなっています。
このツアーは他の周遊ツアーとは違い、ワシントンDCとポトマック川対岸のアーリントンとアレクサンドリア、初代大統領ジョージ・ワシントンがこよなく愛したマウント・ヴァーノンなど、ワシントンDCからそう遠く離れていない地域を巡るツアーですので、長距離の移動で時間が無駄になることはありません。
ワシントンDCでの観光内容は半日市内観光プラス博物館、宿泊するホテルは市内から離れた郊外のタイソンズコーナーと、格安ツアーと変わらない内容ですが、ホテルは4連泊ですのでいちいち荷物をまとめる必要はありません。
また、食事内容も朝は全てホテル、昼は2日目のみ自由で3日目はアレクサンドリア近郊のレストラン、そして4日目はサンドイッチが出ますし、夕食に至っては初日のみホテルで2日目ワシントンDC名物のクラブケーキ、3日目以降はレストランとなっています。
日本発着便もユナイテッド航空ですが、往復ともに羽田、ダレス空港間は直行便を利用します。
これらのことから、このツアーは外せない観光スポットや食事内容などを充実させて、そのかわり移動やホテルなどの削れるところで価格を抑えている、コスパに優れた中堅ツアーであると言えます。
結局どれがいい?ワシントンDC行きのパッケージツアー
ワシントンDC行きのパッケージツアーは基本的に周遊ツアーとなります。そのため、ツアーを選ぶポイントはどこを重視するかによって変わります。
有名スポットだけでいいからとにかく安くいきたい方は格安ツアー、ワシントンDCではなくニューヨークをメインで楽しみたい方はJALパック、ワシントンDCの街を自分の足で歩きたい方はフレンドツアー、そして添乗員同行のツアーでワシントンDCと近郊の街をバランスよく満喫したい方はクラブツーリズムの『もう一度アメリカへ行こう』がおすすめということになるでしょう。